建築基準法では、防災面(耐火・防火・避難など)で特に配慮が必要な建物を「特殊建築物」と定めているんだ。
特殊建築物は、次の6種類に分類されているよ。
- 不特定多数の人が集まる建築物
- 就寝、宿泊を伴う建築物
- 教育、文化、スポーツに関する建築物
- 商業、サービスに関する建築物
- 大火事になりやすい建築物
- 出火の危険性が高い建築物
- 周囲に与える影響が大きい建築物
特殊建築物の分類や規模によって、耐火や避難の規定が定められているんだ。
それでは、実際にどんなものが「特殊建築物」に該当するのか、一つ一つ解説していくよ。
特殊建築物
1.不特定多数の人が集まる建築物
- 劇場
- 映画館
- 演芸場
- 観覧場
- 公会堂
- 集会場
- その他これらに類するもの(未制定)
不特定の多くの人が集まる場所だから、火災などの際に避難する人数も多いし、避難経路が分からなくて避難に時間がかかるなど、避難条の問題が大きいから、特殊建築物としているんだね。
2.就寝、宿泊を伴う建築物
- 病院
- 診療所
- ホテル
- 旅館
- 下宿
- 共同住宅
- 寄宿舎
- その他これらに類するもの(児童福祉施設等)
就寝や宿泊をする施設だと、寝ている間に火災が起こった場合などは、避難開始が遅れることが想定されたり、病院等では避難弱者がいる可能性が高いなど、避難上の問題が起きやすいから、特殊建築物としているんだね。
「児童福祉施設等」とは … 児童福祉施設、老人福祉施設、障害者支援施設、地域活動支援センター、保育所 など
3.教育、文化、スポーツに関する建築物
- 学校
- 体育館
- その他これらに類するもの(博物館、美術館、図書館、ボウリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場)
学校なども多くの人が集まるから、特殊建築物としているんだ。
ただし、ある程度一定の管理の下で利用するものだから、他の特殊建築物より規制が緩い場合があるよ。
4.商業、サービスに関する建築物
- 百貨店
- マーケット
- 展示場
- キャバレー
- カフェ
- ナイトクラブ
- バー
- ダンスホール
- 遊技場
- その他これらに類するもの(公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(10㎡以内のものを除く))
商業施設なども、不特定多数の人が集まるものだから、特殊建築物としているんだ。
5.大火事となりやすい建築物
- 倉庫
- その他これらに類するもの(未制定)
倉庫などは、可燃物が大量に保管される可能性があるから、特殊建築物とされているんだ。
6.出火の危険性が高い建築物
- 自動車車庫
- 自動車修理工場
- その他これらに類するもの(映画スタジオ、テレビスタジオ)
自動車などは出火の危険性があるから、その保管場所である車庫や修理工場は特殊建築物とされているんだ。
7.周囲に与える影響が大きい建築物
- 工場
- 危険物の貯蔵場
- 卸売市場
- と畜場
- 汚物処理場
- 火葬場
- ごみ焼却場
- ごみ処理施設(ごみ焼却場を除く)
- 産業廃棄物の処理施設
- 廃油処理施設
公害やその他周辺環境への影響が大きいものは、特殊建築物とされているんだ。
みなさん「特殊建築物」について、理解できたかな?
それでは、また次の記事でお会いしましょう!