みなさんこんにちは、「水草ねこ丸」です。1級建築士を目指して今日も勉強していきましょう。
今回は、「耐火建築物」についてですね。
耐火建築物と言うと、火に耐える建築物というのはなんとなく想像できますが、具体的にはどういうものなのでしょうか?
耐火建築物って何?
耐火建築物とは、「火災が発生してから終了するまで耐える(倒壊しない)」建築物のことを指します。
具体的に言うと、火災が鎮火し終わるまで「主要構造部」が火に耐えることができるということです。
なるほど。「主要構造部」が大事なんですね。
火災中の避難経路を確保するには、壁や床、階段などが倒壊しないことが重要ということなのでしょうね。
それでは、どのような仕様の建物にすれば、耐火建築物と言えるのでしょうか?
耐火建築物にするには?
耐火建築物にするには、次の2つの要件を満たす必要があります。
主要構造部が「耐火構造」であること。
or
主要構造部が「技術的基準に適合する」こと。(=「耐火性能検証法」により安全性を確かめたもの)
「延焼のおそれのある部分」の外壁開口部が「防火設備」であること。
耐火構造?耐火性能検証法?
似たような言葉が多くてわかりにくいですね…
1つ1つ見ていきましょう。
耐火建築物の要件①
耐火建築物の1つ目の要件は、主要構造部が火に耐える仕様であるということです。
それには、次の2つの方法があります。
「耐火構造」とは、「耐火性能」に関して「技術的基準」に適合する構造のことです。
耐火性能?
また似たような言葉が出てきましたね…
「耐火性能」とは、次の3つ性能のことを指します。
非損傷性 | 構造体力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じない性能のこと | 主要構造部すべて適用 |
遮熱性 | 当該加熱面以外の面の温度が、可燃物燃焼温度以上に上昇しない性能のこと | 壁、床に適用 |
遮炎性 | 屋外に火炎を出す原因となる亀裂その他の損傷を生じない性能のこと | 外壁、屋根に適用 |
この3つの性能に必要な「耐火時間」が「技術的基準」に示されており、耐火構造はそれを満たすものということです。
主要構造部が「非損傷性」「遮熱性」「遮炎性」に必要な耐火時間を満たせば良いということですね。
でもその耐火時間とは、主要構造部をどんな仕様にすれば満たすことができるのでしょうか?
一番単純な方法が「告示の仕様規定」を満たすことです。
「柱の構造や大きさ」「壁の構造や厚さ」などの具体的な仕様が告示に示されており、それをを満たすことで、必要な耐火性能を有しているとされ、耐火構造となります。
また、大臣認定を受けて耐火性能を有すると認められた場合も、耐火構造となります。
次に、「耐火性能検証法」により「主要構造部の安全性」を確認するという方法があります。
これは告示に示された計算方法(耐火性能検証法)により、「火災の継続時間」<「主要構造部の耐火時間」となることを検証し、主要構造部の安全性を確認します。
耐火建築物の要件②
耐火建築物の2つ目の要件は、「建物内の火災を外へ出さない」ことと、「外からの火災が入り込まない」ことです。
そのため、「延焼のおそれのある部分」の外壁の開口部が「防火設備」であることが求められています。
「延焼のおそれのある部分」とは、隣地境界線(または道路中心線)から1階は3m、2階は5mの距離にある部分のことですね。
ちなみに耐火建築物で必要な「防火設備」とは、「両面に20分の遮炎性能を有する」ものを指します。
その構造の具体的な仕様は、告示により示されています。(大臣認定を取る方法もあります。)
「両面に」というのは、「火を外へ出さない」ことと「外から火が入り込まない」という両方に対して性能が必要ということですね。
耐火建築物まとめ
「耐火建築物」について、どういうものか理解できたでしょうか?
最後にまとめをしておきますね。
「火災が発生してから終了するまで耐える(倒壊しない)」建築物のこと。
主要構造部を「耐火構造」とする
+
延焼のおそれのある部分の外壁開口部を「防火設備」とする
または
「耐火性能検証法」により主要構造部の安全性を確認する。
+
延焼のおそれのある部分の外壁開口部を「防火設備」とする
それでは、また次の勉強の機会にお会いしましょう。